シンポジウムⅠ シンポジスト講演概要のご案内
高齢期において、心身の機能を維持することは、フレイルを予防し、住み慣れた地域で自分らしく生活を続けるために欠かせません。シンポジウムⅠ「運動を支える心身機能―フレイル予防の視点から―」では、歩行能力を支える下肢筋機能、こころの健康と自己感との関連、そして高齢心不全患者の重症化予防といった多面的な視点から、フレイル予防に関する最新の知見を、各分野で研究・実践に取り組むシンポジストよりご紹介いただきます。身体機能と精神機能、さらに慢性疾患管理を統合した視点から、高齢者の健康を支えるための具体的な示唆を提供し、地域における健康支援のあり方について考える機会となることを願っております。
各シンポジストによるご講演の概要は、以下の通りです。
歩行能力を支える下肢筋機能―地域在住高齢者を対象とした包括的解析―
坂本 美喜(北里大学 医療衛生学部リハビリテーション学科理学療法学専攻)
高齢者の健康寿命を延伸するためには、歩行能力の維持が重要であり、特に歩行速度の維持が不可欠です。本シンポジウムでは、地域在住高齢者を対象に、歩行速度に関連する下肢筋機能に着目し、筋力や筋パワー、機能的パフォーマンスなど複数の指標を用いた包括的解析の結果を紹介いたします。さらに、歩行速度低下の背景にある身体機能特性を整理し、地域におけるフレイル予防や運動支援への示唆を提示したいと思います。
自己感と精神的フレイルの関連
加賀野井 聖二(芸西病院 リハビリテーション科)
精神的フレイルとは、加齢やライフイベント(退職、死別など)をきっかけに、意欲低下、抑うつ、不安、不眠、認知機能低下などが現れ、「こころの元気」が失われ、ストレスに弱くなっている状態を指し、放置すると身体機能低下や要介護状態につながると考えられています。一方、自己感とは「自分が自分であり、存在していると感じる主観的な感覚」「自分が他者と区別される存在であるという感覚」のことをいいます。当日はこれらの関連について私見を含め報告したいと思います。
地域で生活する高齢心不全患者の重症化予防
小澤 若菜(高知県立大学 看護学部看護学科)
心不全は、生活の場が治療の場となることからも、地域の中での患者中心のケアが求められます。そこで、高齢心不全患者が病いとともに生きていくことへの支援や、心不全という病いからの学びを向上していく支援が重要となると考えます。シンポジウムでは、各都道府県で循環器病対策推進計画が推進されるなか、心不全の重症化に関連する要因と、予防に向けた示唆について紹介したいと考えています。

